What's New in version 3.0

IC Imaging Control 2.0.から IC Imaging Control 3.0.への変更点について

フレームフィルタ

フレームフィルタを使うことによって、多様かつ効果的な画像データの編集が可能となります。フレームフィルタは次のような機能があります。

  • 画像ストリームからどのフレームを除去するかを設定できます。
  • 画像ストリームのフレームからの読み取り、あるいはフレームへの書き込みを、リングバッファにデータをコピーすることなく行うことが可能です。言い換えると、画像ストリームのバッファ(DirectShowバッファ) に対してダイレクトに画像処理を加えることができます。
  • 画像ストリームのビデオフォーマットの変更 (ピクセルフォーマット、横幅と高さ)
  • 画像処理の実装

フレームフィルタは画像ストリームの3カ所で適用できます。ビデオキャプチャデバイスの直後, ディスプレイとシンクの前。このコンセプトは多くの機能の実装を可能にし、例えばゲートフィルタはある特定のフレームだけをメディアファイルに通し、他のフレームは除去します。 フレームフィルタはアプリケーションの一部として実装されるか、もしくはフィルターコンテナモジュール内に存在する可能性もあります。 IC Imaging Control 3.0にはフィルタコンテナモジュールstdfilters.ftfから頻繁に使用されるフィルタのうちのいくつかを標準として持っています。

  • ROI フィルタ: Region Of Interest (関心領域)を指定するフィルタ。画像ストリームの幅、高さを調整できます。
  • DeBayer フィルタ: ディベイヤ処理をするフィルタ。BayerフォーマットのカラーRawデータをRGBカラー形式に変換。
  • Flip and rotation フィルタ: 画像ストリームを回転 (90°、 180° 、 270°) や 反転 (垂直軸と水平軸) させることができます。
  • Denoise フィルタ: 指定した枚数のフレームを全て積算してから平均化することでノイズを除去します。

IC Imaging Controlの標準フィルタ関しての詳細はこちらをご参照ください。
IC Imaging Control スタンダードフィルタIC Imaging Control にはいくつかの標準フレームフィルタが備わっています。

フレームフィルタはVisual Basic には実装することができません。 Visual C++ にフィルタモジュールの一部として実装される必要があります。

新しいシンクコンセプト

IC Imaging Control 3.0 では新しいシンクコンセプトが取り入れられています。画像ストリームとシンクの概要に関してはコンセプトとコンポーネントをご参照ください。 これまでのバージョンにおいては、シンクは内部的に扱われ、FrameReady Eventsを使ったり、AVI ファイルを書き込むことでイメージバッファへアクセスする機能を提供していました。下の二つは新たなシンクオブジェクトです。

  • FrameHandlerSinkクラスライブラリリファレンス>クラス>FrameHandlerSink: このシンクは特定の数の画像をリングバッファへ非同期的に取り込み、フレームフィルタで画像データを編集したり、リングバッファコレクションへのコピープロセスをコントロールできます。 フレームフィルタを使うことで、ユーザー定義のピクセル配置でリングバッファを作成したり、画像ストリームのバッファ(DirectShow バッファ) に直接画像処理を施すことでリングバッファコレクションを省略したりできます。
  • MediaStreamSinkクラスライブラリリファレンス>クラス>MediaStreamSink: このシンクはAVI以外のコンテナフォーマットを使用することができりるようにします。現在支援されているコンテナフォーマットの詳細に関してはMediaStreamContainerクラスライブラリリファレンス>クラス>MediaStreamContainerを参照ください。 また MediaStreamSink はフレームフィルタで画像データを編集したり、どのフレームをストリームファイルに書き込むかをコントロールしたりできます。例えばこれによってタイムラプス機能を実装することが可能となります。

アドバンストオーバーレイ機能

これまではオーバーレイはデバイスの後に一つだけ持つことができましたが、IC Imaging Control 3.0 では最大3箇所で使用することが可能です その3つの場所は以下の通りです。

  • デバイスの後ろ: このオーバーレイはディスプレイとシンク(リングバッファ、ストリームファイル)両方に描画されます。
  • ディスプレイの前: このオーバーレイはディスプレイ上に描画されます。
  • シンクの前: このオーバレイはシンク上にだけ描画されます。
この新しい機能では、たとえオリジナルの画像データに処理を加えている間や ディスプレイ、シンク(リングバッファ、ストリームファイル)に別のオーバーレイを使っている時でも、ディスプレイにオーバーレイを描くことが可能です。

BayerフォーマットのRawカラー画像データに対応

IC Imaging Conrol 3.0を使えば、 BayerフォーマットのRaw画像データに色補完を行う事ができます。この色の補完は ディベイヤ処理(debayering) というもので、ディスプレイやシンク(リングバッファ、ストリームファイル)に流れるデータに適用が可能です。詳細に関しては ディベイヤ処理技術関連項目>ディベイヤ処理を参照ください。

16ビットのモノクロフォーマット対応

IC Imaging Control 3.0 は最高16諧調の高解像度モノクロ、Rawカラー(Bayer)画像に対応しており、これらのフォーマットに最適なディスプレイモードが提供されます。どの高解像度フォーマットに対応しているか、そしてそれらのフォーマットの画像データの配列がどのようなものかに関しては  YGB0 formatプログラマーズガイド>イメージバッファにアクセスする>YGB0YGB1 formatプログラマーズガイド>イメージバッファにアクセスする>YGB1 を参照ください。

新機能リファレンス (version 3.0)
version3.0における新しい機能の一覧です。