MPEG-DASH（push）ストリームを設定する
MPEG-DASH（Dynamic Adaptive Streaming over HTTP）はオープンスタンダードの適応型HTTPベースのストリーミングプロトコルであり、ストリーミング先で再構築されるメディアセグメントで、ネットワークを介して映像・音声コンテンツを送信します。メディアセグメントは、HTTPSの場合はHTTPポート80またはポート443を介してストリーミングでき、これらは通常、ネットワークアクセス用に開かれています。そのため、コンテンツはITの関与をほとんど必要とせずに、ファイアウォールを簡単に通過できます。
オープンスタンダードとして、MPEG-DASHはコーデックと解像度にとらわれないように設計されています。Pearl Nanoは、単一の解像度とビットレートのMPEG-DASHストリームをHTTP POST（またはHTTP PUT）としてHLS取り込みサーバーやAkamaiやYouTubeなどのCDNに送信できます。初期設定はHTTP POSTです。Pearl Nanoのchannelは、MPEG-DASHを使用してストリーミングするには、H.264およびAACオーディオコーデックに設定する必要があります。Pearl Nanoは、ストリームを認証するためにMD5、SHA-256、SHA-512ハッシュアルゴリズムをサポートしています。
MPEG-DASHは、設定可能なメディアセグメント期間とDASHリストサイズを備えたMPEG2-TSトランスポートストリームコンテナを使用して、取り込みサーバーでメディアセグメントを再アセンブルします。MPEG-DASHは、低遅延よりもQoS（quality of Service）を優先するため、遅延時間が長くなる可能性があります。取り込みサーバーが特定のメディアセグメントサイズを必要としない場合は、メディアセグメントの期間を短縮して、遅延時間を短縮できます。初期設定のセグメント期間は６秒です。
管理者画面で、DASHマルチプレックスストリーミングの有効化などの高度な機能を設定できます。 MPEG-DASHストリームにユーザー名とパスワードを割り当てることもできます。
次の表に、オプションのMPEG-DASHパラメーターを示します。これらのパラメーターのいずれかを設定する必要があるかどうかを確認するには、取り込みサーバープロバイダーに確認してください。
| Item | Description |
|---|---|
| DASH Multiplex streams | マルチプレックスストリームを有効にするには、このパラメーターにチェックを入れます。有効にすると映像と音声はそれぞれ別のセグメントではなく、同じセグメントファイルで送信されます。 |
| Embedded initialization segment | 埋め込み初期化セグメントをストリームに挿入できるようにするには、このパラメーターにチェックを入れます。有効にすると、ストリームの初期化データは、個別に送信するのではなく、MPEG DASHMPDファイルに埋め込まれます。 |
| User-Agent | 取り込みサーバーがユーザーエージェントヘッダーに特定の値を持つストリームを要求するか、許可する場合は、このパラメーターを使用して、ユーザーエージェントヘッダーに挿入する値を使用してPearl Nanoを設定します。 |
| Initialization template | この項目では、Pearl Nanoが取り込みサーバーに送信する初期化ファイルの名前を指定します。使用する値については、取り込みサーバープロバイダーに確認してください。 |
| Media segment template | この項目ではPearl Nanoが取り込みサーバーに送信するメディアセグメントファイルの名前を指定します。使用する値については、取り込みサーバープロバイダーに確認してください。 |
| DASH MPD upload period | 期間を秒単位の整数として設定します。許容範囲は１〜999秒です。初期設定の値は60秒です。分数とピリオドはサポートされていません。 |
重要事項
｜単一の解像度とビットレートのストリームのみがサポートされています。
｜ストリーミングしているchannelのビデオエンコーディングとしてH.264を設定します。
｜Fragmented MP4はサポートされていません。
｜MPEG-DASH取り込みサーバーでユーザー名とパスワードが必要な場合は、取り込みサーバーを担当するIT管理者からそれらの資格情報を取得してください。
管理者画面でMPEG-DASH (push)ストリームを設定する
１．admin 権限で管理者画面にログインする。参照：管理者画面へ接続する
２．channelメニューの Streaming をクリックする。Streaming設定ページが開きます。
３．New stream をクリックし、DASH push を選択する。初期設定名Stream 1で新しいストリームが作成されます。設定を表示するにはストリーム名をクリックします。
４．URL欄にストリームを取り込んでいる宛先サーバーのURLを入力します。
例：http://p-ep721023.i.akamaientrypoin.net/722223/hlsQualification/my_video.m3u8
５．（オプションとして）ストリームに必要な場合は、Username と Password を入力する。これは、取り込みサーバープロバイダーから入手してください。
６．Method 欄で POST または PUT を選択する。この選択は、取り込みサーバーの要件と一致する必要があります。
７．In the Segment duration 欄にメディアセグメントの長さを秒単位で入力する。初期設定では５秒です。分数とピリオドはサポートされていません。
８．DASH List size 欄に各セグメントの.tsセグメントファイルの数を入力します。初期設定のプレイリストサイズは５です。
９．（オプションとして）Advanced settings で以下の設定が可能です。
a. DASH Multiplex streams にチェックを入れると、マルチプレックスストリーミングが有効になります。
b. Check Embedded initialization segment にチェックを入れると、オプションの初期化セグメントをストリームに追加します。
c. User-agent：取り込みサーバーがこのデバイスからのストリームを許可する必要がある場合にのみ、英数字を使用してユーザーエージェント名を入力します。
d. Initialization template：ストリーム内の個々のDASHリストに使用するアドレスを入力します。初期化テンプレートは、ビットレート、解像度、コーデックも提供します。
e. Media segment template 欄にメディアセグメントの名前に使用される命名形式を入力します。
例: chunk-$Number%05d$.ts
f. DASH MPD のアップロード期間を秒単位の整数で入力します。初期設定は60秒です。
10．Apply をクリックする。
11．ストリーミング開始の準備が整えば、Start をクリックする。